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薬害肝炎訴訟。

昨年の仕事の記事を書いたもので、その流れで、また昨年の仕事のうち報告できる案件を書かせていただきます。

内臓移植手術の際にフィブリノゲンを投与された患者さんが死亡した案件です。
マスコミで報道されたように薬害肝炎全国弁護団の訴訟の成果として「特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第IX因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法」が成立しました。同法第6条第一号に基づく給付金の支払いを求めた訴訟です。

ところが国から頑強な抵抗を受けました。

集約された論点は、
①フィブリノゲン投与とC型肝炎感染の因果関係の存否(移植手術以前の輸血後に数値異常が発生したため。)
②感染を認定した場合、慢性C型肝炎が進行し、「肝硬変若しくは肝がん」に罹患し、死亡した因果関係の存否(同法第6条第一号の解釈とも関連。本件患者は慢性C型肝炎が進行して「肝硬変若しくは肝がん」を経由してそれが死因となり死亡に至ったのか。)

当時の輸血用血液スクリーニングの水準、移植手術の際投与される免疫抑制剤による免疫力低下との関係、カルテに記載されたある病名の概念の歴史的変遷、その文字の筆跡なども関連してやや複雑な経過を経る訴訟となりました。

結果的には、和解が成立しました。
内容は、国は同法第6条第二号の給付金を支払う、というものです。

移植手術を執刀された医師の先生、患者さんが日常的にかかりつけていた医師の先生、などに直接面談をさせていただく機会を何度も頂戴して貴重なご意見をいただくことができました。もちろん陳述書等の形式で法廷に提出しました。それらが結果的には、円満な和解成立に多大な寄与をしました。

事件番号は高松地方裁判所丸亀支部平成20年(ワ)第185号
和解成立日は平成25年5月9日

私にとりましては、偉大な和解でした。

(今回の記事は対立当事者が国であること、依頼者である原告から公開に関する書面による承諾を得たため、記事とさせていただきました。)

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