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斜陽産業。

今日、裁判(過払訴訟ではない。)のため高松簡易裁判所に行きました。
弁論が目白押しでしばし傍聴席で待つことになりました。自然と、前に行われる事件の様子を傍聴することになります。

相変わらず、過払金返還請求訴訟が多いですね。
しかし、訴訟を起こして勝訴もしくは和解しても、現金化することがかなり困難となっているのが、よくわかりました。
和解成立したものの入金が年内であれば裁判官も「早いですね。」と驚くほどで、中には半年以上先、などというのもあります。支払期日までの間にサラ金会社が無くなってしまったらまず回収は困難です。
事実、今日の事件でも、被告であるサラ金会社などが、
倒産した、
高松から撤退した、
というのもあって、過払金回収はおろか、訴訟の手続進行でハードルが高くなっているものもあります。
法律上の論点についても、論点は出尽くしてしまったようですし、最高裁の判断で決着が着いたものもあって、攻める方も守る方も、準備書面がひな型的に出来上がっていて、すたすら大量の書面を提出して、どうだ、と「書面浴びせ倒しの術」の様相にもなっているようです。しかし裁判官も、ハイハイ、そうですか、それで?となんだか出来レースの匂いもします。
原告が本人訴訟を提起して、被告のサラ金会社の担当者が出頭しているにもかかわらず、原告本人が不出頭で、裁判所から連絡も取れない、という案件もありまして、地裁と違う、妙な人間臭さも感じます。

ふと、このような仕事を弁護士がいつまでも携わっていいのか、という思いもよぎりました。
確かに元(多重)債務者の原告側の代理人として司法書士の先生方も活躍しています。論点も書面も定式化し煮詰まっている法律業務ですから司法書士の先生が適任に思えます。弁護士は、もっと、乗るかそるかの事件で腕前を発揮すべきなのではないでしょうか。
もちろん当事務所でも過払金返還訴訟を業務として受任します。しかしそれはほとんど若い弁護士さんにお任せ状態です。訴状作成についても、ワードで穴埋め式的な訴状ひな型を用意して、事務員さんでも作成できます。若い弁護士さんにとっては法廷という場になれるいい訓練としての意義はあるかと思います。私もたまには過払金訴訟で法廷に出廷することがありますが、若い弁護士さんのほぼ完全なる「お使い」になっています。
論点もいわば「時限論点」です。私は正直、過払金に関する論点は、ほとんど見ていません。若い弁護士さんにやってもらっています。
最初に述べましたように、現金化に著しい困難が発生しているのですから、過払金返還請求権は不良債権となりつつあります。これに論点の時限性を加えたら、過払金ビジネスはもうすでに斜陽産業ですね。

(この業界(法曹界)も斜陽産業かもしれません。)

ちなみに、当事務所では受任事件の中に占める過払金返還手続の割合がさほど大きくないため、斜陽産業がそのまま消滅しても、影響はそれほど深刻ではありません。

なんだかんだと過払金返還請求訴訟の現況と諸相を生の法廷を通じて見ることができました。
終わってみれば、簡裁の法廷に30分ほど滞在していました。

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