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旅先の事故。

20051008
三連休を利用して沖縄に来た。

すべては順調だった。
離島のさらに先端にあるホテルは芝生の中のコテージをあてがわれた。
ホテル利用客のみのプライベートビーチがあってそこで子供たちは大いにはしゃいだ。
太平洋の水は温水プールのように温かかった。波が身体を揺らす程度にあり、長女は「面白すぎる!」と言った。

陽もずいぶん傾いて、海が「怖い海」になってきたのでホテル内のプールで泳ぐことにした。
浅いプールでしばらく遊んでいたら、二女が突然、泣き叫び出した。
手で右目のあたりを押さえている。
駆け寄ると、血が。それもかなり。
傷口が開いているのが見えた。
プールの中で遊んでいたのが、どうした拍子か、プールサイドのへり、エッジの部分にかなりの強さでぶつけてしまったと思われた。

救急車を呼んでもらったが事情があって、とりあえずの止血をして、うちのレンタカーで家族全員で地域の拠点病院とおぼしき病院(中部病院)まで行った。ホテルからは40分かかった。
診察ののちに処置室で手術となったが、私にしがみついて離れない。局部麻酔ののち傷口の洗浄、黒茶色の消毒液の塗布、その間も私の首に回した腕をしっかりと離さない。
そして縫合であった。女性看護師が布で二女の3歳の体をぐるぐる巻きにして、さらにそのうえから動かないように押さえつけた。
すでに何が起こるのか察知したかのように二女は泣き叫ぶ。「おとうさん、おとうさん、おとうさんに抱っこして欲しい、」と。
同室した私は、「ここにいるよ、大丈夫、治るよ、」と声をかけながら
この縫合でなにかあったらいけないから、体を固定する看護師にさらに助力して足を押さえつけながら。

3針縫って、無事、成功して、静かになった二女を抱いて戻ると他の兄弟は全員で待っていてくれた。
病院に来たときが7時で、後にしたときにはもう9時になっていた。

予約していたホテルは、ゲンが悪い。言うまでもなく。それで直ちに他のホテルに代えた。

病院から出た私たちは、とりあえずの晩御飯の食べ物を仕入れて、新たに予約したホテルに直行してチェックインした。
昨年の事務所旅行で利用したホテルの最上階が空いていた。
すでに午後10時を回っていた。

部屋でかなり遅い夕食を皆で軽くしたのち、私は家族を新しいホテルに残し、1人で、また、かの離島のホテルにレンタカーで戻って荷物を取りに行った。
片道1時間かかる。
向かいながら、考えた。
事故の伏線はあった、三女がそのプールでおぼれかけたのだ。
1歳の子が目を離したすきに水中で仰向けになって、手だけが水上に出て空であえいでいた。その片腕をつかんでひっぱり上げたが三女はせきこみ、二度とプールに入ろうとしなかった。
そんな三女の水におびえた様子を見ていたときの二女の事故だった。
プールには監視員もいなかった。放りっぱなしの空間だった。
事故後、二女を抱いて、プールの隣りのレストランにいる従業員に事故を伝えて初めてホテル側に知らせた状況だった。

ホテルに着いて、コテージに入ったが、出かけたときのまま、水着を脱ぎ捨てたり、帽子が飛んでいた。楽しい旅の残骸のようだった。それを1人が片付けて、チェックアウトした。0時半になっていた。

子供は生まれてこの方、自分にとっては完全無欠な存在であった。それが、たとえ大きさはわずかな傷であっても、何かが損なわれた気がした。
文脈はまったく正しくないが、「キズモノにされた。」という親の気持ちがわかるような気がした。
プールサイドで、かなりの血が出て、抱き上げた私の濡れた胸に着いた血。
「プールが怖い。」と繰り返し泣き叫んでいた3歳の声。
もう旅行を切り上げたくなるほどであった。

ふと気付くと、離島を離れて、本島に向う「海中道路」を走っていた。
遠くの街の明りとまっすぐな道路、車内で
神のみぞ知る。God Only Knows
が流れている。
映画にでもなりそうで頭が吹っ飛びそうになる瞬間だった。

香川でも、帰宅のために深夜に車を走らせていた自分が、
沖縄でも、午前の1時なんかに走っている。
ここでもそうなのかよ!
家族のいるホテルに戻ったら1時半だった。

傷は線くらにいなってしばらく残るかもしれない。
しかし、子供だし、顔面は血流が多い場所のため、傷がわからなくなるでしょう、
と外科医の先生は説明してくれた。
医者はありがたいと思った。

今度沖縄に来ることがあっても、あの離島にはきっと行けない。
二女の顔の傷がまったくわからなくならない限り。

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Comments

まことに大変でしたねぇ。海中道路って、あの海の中の真っすぐ渡ってくワケワカラナイ道のことですか?あのときの記憶は大分薄れましたが。大脳硬膜内外の出血多量につき。起案が続く。短答式試験前のGWの様相ですわ。

Posted by: かえる | October 09, 2005 at 04:24 PM

ご心配ありがとうございます。
子供たちは何事もなかったように休日を満喫しています。
美ら海をシラッと素通りして、蝶々園とコッコ食堂に行きました。帰りはブセナテラスと海中展望台です。なつかしいでしょう?
ビーチタワーに帰ったら、昨日溺れかけた三女も大怪我の二女も泳ぎに行きたいと言っています。子供の生命力は想定外です。

Posted by: 安藤誠基 | October 09, 2005 at 04:30 PM

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