初めて担当した被疑者国選事件がつつがなく終了しました。
被疑者国選の手持ち案件がなくなりました。
同時に複数案件を抱え込むのに間違いない、との予想は見事に裏切られました。
制度が拡充される5月21日以降、戦々恐々として待ち構えていましたが、当弁護士会の他の弁護士さんの「拍子抜け」という言葉が現状を表しています。
雑感を述べてみますと、ただ一度の経験ではありますが、これは当番弁護士制度を被疑者の(潜在的)要望に沿って公判まで自動延長した制度のごときものです。(制度の運営者は異なりますが。)
弁護士会の運営する当番弁護士制度は、身柄拘束されて多大な不安感を抱いている被疑者に、1回だけ無料で法律相談に応じて、不当な取調べを抑止し、刑事手続の概要を説明して将来への不安を軽減させる、ことが主目的でした。
ところが実際には、当の被疑者は、目の前に現れた「当番弁護士」に「弁護人についてくれたんですか?」と真顔で問うことがしばしばありました。警察署・裁判所等での当番弁護士制度の説明を十分理解できていないようです。気が動転しているでしょうからね、無理もないです。弁護士からは、「いいえ、1回だけ法律相談に応じる制度ですよ。」と説明することになります。
家族への伝言などを預かり伝達する際にも、家族の方から「弁護人についてくれたんですか?」と、また、聞かれることが多く、「いいえ」と同じ説明を繰り返すことになります。
用語は「当番弁護士」と「被疑者国選」と異なっていても、被疑者にとっては、どちらも逮捕勾留された自分を助けてくれる味方、としておんなじなのですね。ならば被疑者が希望さえすればそのまんま公判まで引き続いて味方についてあげようぜ、というのが被疑者国選の形態になった、とも言えるのでは。
そうしますと、被疑者からすれば、まずは接見してほしい、話を聞いてほしい、質問したい、不安なこの立場をどうにかしてほしい、という切望から「当番弁護士」であれ「被疑者国選」であれとにかく「弁護士」に来てほしい、との要請が先に立つことでしょう。
被疑者国選拡充に伴い、弁護士会会員に配布された表がありました。それは週末(土日)の「被疑者国選」の「当番」表です。
最初見たとき、ぎょっ、としました。毎週末、土曜か日曜のいずれかが当番にあたっています。
弁護士会からの説明では、「被疑者国選の要請があっても当日に必ず接見に行くことを義務づけるものではない」そうです。それを聞いて一安心していました。
ところが、被疑者国選を一度経験してみますと、やはり要請があって選任された場合には、直ちに、当日、接見に行くことが、被疑者の要請に沿い、ひいては被疑者との信頼関係を醸成するために不可欠ではないか、と感じるのです。
そうしますと、週末の当番で、毎週末は県内にいなければいけないことになってしまいそうです。
これは私の私生活にはかなりの圧迫になりそうです。
今日伝え聞いた情報によりますと香川県内での被疑者国選の要請が激増中とのことです。
「拍子抜け」が実は「嵐の前の静けさ」となるのでしょうか?
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